ふと足を止めたのは、信号が赤になったからじゃない。
銀座の街には珍しく、ゴールデンレトリーバーがいた。
小型犬なら、歩行者天国でよく見かけるけど。
でも、私は決してゴールデンレトリーバー自体が珍しいとは思わなった。
何故なら我が家にも、ゴールデンレトリーバーがいるから(笑)
急いでいた私が、その子に足を止めたのは、「訓練中」というタスキをかけていたからに他ならない。
盲導犬として訓練中の犬を見るのは初めてだった。
信号が赤になっても車道に出かけてる犬に対して、指導員がしきりに何かを伝えている。
ラジオでご一緒させていただいている石黒さんの本「盲導犬クイールの一生」を、思い出した。
この子が今まで経験してきた苦労や、これから経験する出会いと別れを考えたら
なんとも言えない気持ちになった。
人の為になることは、本当に簡単じゃないんだよなぁって。
一言、
頑張って欲しい とは思えなくて
頑張っているんだな って思った。
一冊の本や、人との出会いは
微かな変化を与える
それはそれはビーンズのように小さくても
確実にそこにあるもの
病院の待合室で手に取った本や
エレベーターで一緒になった人からも
気付かずとも何かしらの影響を受けていると思うの。
それを必然と呼ぶか偶然と呼ぶか
それは人それぞれだけど
きっと今このブログを見てくれている人にとって
私のこの言葉たちは
ただっ広い宇宙の片隅で燃え尽きた小さな隕石のような存在かもしれない。
それでも、それは必ず存在したものなの。
何億年もの時をかけて
星の瞬きとして感じられるものなの。