澄み切った日常と奇跡のお話

やっぱりね、最強なんじゃないかって思うのがね

 

 

母親だよね。

 

 

先日、学生時代の友人と軽くお茶をしたのですが

 

 

結婚してママになっている子もいて

 

 

倫理の授業中、一緒にノートへ落書きしてた子が

 

 

今ではもう立派な母親なんですよ。

 

 

「エリカちゃん、結婚のご予定は?」

 

 

って聞かれたから、まぁ軽くお茶を濁しておきました。

 

 

友人の前に置かれたコップの水は澄み切っていたけど

 

 

私のコップには白ごまがわりと大胆に入っていたのでひっそりと交換してもらいました。

 

 

まぁそこ、ピザ屋だったんだけどね。

 

 

いとも簡単に奇跡が起きてるよね

 

White sesame feat. Pizza

 

 

日常の中でこういうサプライズ…というか、

 

幸せを見つけていくことこそが

 

これからの時代、大切なんだと思う。

 

 

というか、もしかしたら白ごまを使ってるヘルシー系Pizzaメニューがあるのかもしれない

 

そう思って、渾身の開眼で食い入るようにメニューを見たら

 

マルゲリータとかクアトロフォルマッジとかジャーマンポテトというPizzaに並んで

 

セサーミというピリ辛のゴマを使ったPizzaメニューもあったから

 

まぁ厨房の様子を想像して納得したんですよね。

 

お互い人間、手違いはあるだろうさ。って。

 

同じキッチンにある食材なら

 

Pizzaに入ってようが、水に入ってようがまぁおんなじことだよね。仕方ないよね。って。

 

 

でもさ、やっぱり解答用紙を出すときに、最終見直しって結構大切じゃないですか?

 

その時は絶対に合ってると思ってた答えが、

 

時間をおいてから確認してみると、まったく違うことに気づくことってありますよね?

 

こういう感覚は大事にしていきたいし、ケアレスミスはないに越したことはない

 

そう思って、帰りの電車でそこのお店の公式HPまで飛んで、メニューを再確認したんですよ。

 

 

 

そしたら

セサーミじゃなくてサラーメだった。

 

 

 

ピリ辛のセサミ じゃなくて ピリ辛のサラミ。

 

 

すこぶるおいしそうな写真とともに掲載されていたので次回はこれを頼もうと思います。

 

 

まぁでも

 

 

なんだかんだ世の中には引き寄せの法則ってあると思っていて

 

 

こういう事象が起こるのも自分の心の波長に付随するのではないかなぁ~とやんわり感じ

 

 

婚活においてはお茶を濁してばかりの人生

 

 

濁っているのはコップの水じゃなくて私の心かなぁって一瞬思ったんですけど

 

 

思い返せばまぁそういうわけでもないんですよ。

 

 

新しい仕事が決まった自分へのご褒美にと、表参道にあるパンケーキ屋さんへ行ったときのこと。

 

 

ずっと行きたかったお店ですが、やはりこのご時世なかなか叶わず、念願のパンケーキタイムでした。

 

 

ふわとろパンケーキと一緒に、アールグレイの紅茶を頼んだのですが

 

運ばれてくると嬉しきかな、ポットサービス。

 

これなら3杯は楽しめます。

 

店員さん「3分ほど蒸らしてからお召し上がりください」

 

もちろん蒸らしますとも!

 

パンケーキは一皿に3枚入っているそうなので

 

パンケーキ1枚につき、紅茶1杯という計算で進めれば完璧。

 

なんて幸せな計算式でしょう。

 

そして絶妙なタイミングでテーブルに到着した天使のような見目麗しいパンケーキ。

 

ちょうど茶葉が蒸せて、良い塩梅のアールグレイとパンケーキのマリアージュが楽しめようぞ!!

 

と、ティーカップに紅茶を注ぐ。

 

しかし、まだ茶葉の出が足りてないという痛恨のミス。

 

おっとと。と、すぐに注ぐ手を止め

 

今一度、紅茶蒸らしタイム。

 

 

ですが

 

目の前でパンケーキが今にも食べてほしそうにこちらを見ている!!

 

 

食しますか?

 

はい ◁

いいえ

 

 

まぁ1枚ぐらいなら。

 

と、一番上のパンケーキにフォークをかける。

 

 

なんと!フォークが吸い込まれるような柔らかさ。

 

まさにファーストキッスの感触。

 

と、ぐへぐへ半笑いで1枚目をペロリ。

 

まぁそのまま2枚目に突入しても何の問題もない舌加減でしたが

 

ここはやっぱり一度、大人の苦みとベルガモットの個性的な香りが持ち味のアールグレーでリセットさせましょう。

 

 

少し茶葉が出すぎたかもしれませんが、手元にミルクも用意されていたので大丈夫。

 

シンプルながらも持ち手が繊細でスタイリッシュなティーカップにゆったりと紅茶を注いでゆく。

 

ひろがり立つ湯気が、頬を撫でる。

 

柔らかな温度が、鼻先をくすぐる。

 

至福の温かさに、思わず瞼を閉じる。

 

今だけは、どうか香りに集中して。

 

大きく開かれた窓から吹く風に乗って

 

ほのかなアールグレーの香りが私を包んでゆく。

 

そうして、徐々に五感が研ぎ澄まされ

 

全身で感じる、渇き

全身が求める、潤い

心でアールグレーを探している。

 

両手で包んだティーカップからじんわり伝わる、アールグレーのぬくもり。

あぁ、幸せって、こういうこと。

すぐ手を伸ばせば、触れられる距離

それがどれほどまでに幸運なことか、あなたたちは知らないでしょう。

 

 

穏やかに、凪のような心で瞼をゆっくり開く。

 

 

あぁ、そこに広がる景色を、私は一生忘れないでしょう。

 

 

どこまでもどこまでも澄んだ、無色透明な白湯が

 

 

ただただ、なみなみとティーカップに注がれているその情景を。

 

 

 

 

「あれ。3分たったよね?」

 

もうね、いつも素直じゃないけど、私

 

この時ばかりは口に出して、ストレートに思ったこと言ったよね。

 

というか口からまろびでたよね。なんか、うん。

 

私が思ってた3分と、世の中の3分って、こんなにも差異、ある?

 

 

その場合、ウルトラマン割と長尺で戦えることになるけど、大丈夫?無双じゃない?

 

 

と、ポットのふたを恐る恐る開けてみる。

 

 

 

 

ない。

 

 

何にも入ってない。

 

 

 

あ、正確には、お湯しか入ってない。

 

 

つまり私はこの数分間、おしゃれなポットでひたすらお湯を蒸していたのだろうか。

 

 

いやでも待てよ、アールグレーの香りはしたぞ確かに。

 

 

と、風に乗って運ばれてきた香りを視線で辿ってみると

 

 

右斜め前のテーブルで女子高生らしき二人組がはしゃいでいる。

 

 

自撮りをしながら、はしゃいでいる。こちらの状況など露知らず。

 

 

「ってかこの紅茶、めっちゃいいにおいする!」

「ね!思った!まじウケる」

 

 

 

私がさっき包まれていたのはそちらのアールグレイの香りでしたか。まじウケる。

 

 

どうりで香りがかすかだと思ったよ。

 

 

これは店員さんに確認したほうがいいなと思い、手を上げかけたその時。

 

ふと、もしやこれは、裸の王様系紅茶なのでは?

 

という議題が脳内会議であがった。

 

心が清い人にしか見えない、紅茶。

 

もしそうなら、

 

私「あのう、茶葉が入っていないようなのですが…」

 

店員さん「え!お客様、こちらの紅茶が見えないのですか?」

 

私「はい」

 

店員さん「私どものほうでは茶葉はしっかり入れてありますので、そこから先はお客様の問題といいますか…」

 

私「え!?」

 

店員さん「それはなんとも…」

 

女子高生「まじウケる」

 

そうなりかねない。

 

恥をかくのはごめんだ。

 

どどどどうしよう。

 

ここはひとつ、私も紅茶を楽しむふりをするべきなのか。

 

しかし本当に茶葉を入れ忘れていただけなら、私はこのただのお湯に800円支払うことになる。

 

謎の出費はごめんだ。

 

どどどどうしよう。

 

 

ええい!と座りなおすふりをして、一度軽く背筋を伸ばす。

その時に

ぐぐい!と女子高生のティーカップに視線を伸ばす。

 

 

 

 

 

茶色い。

 

 

ティーカップの中のアールグレイ、茶色い。

 

 

 

いや、本当はね、もうね、うすうす気づいてはいたんですよ。

 

透明な紅茶?なにそれまじウケる。

 

茶葉が入ってないだけでしょうが!って。

 

でもね、あ~伝わるかなぁこの感じ。

 

行きなれないオシャレなカフェで

 

店員さんもキラキラ系で

 

注文するのがやっとだったんですよ、私。

 

「リコッタパンケーキハニーコームバター添えにホットのアールグレイをお願いします」

 

これを伝えるのが精一杯だったのに

 

何度も何度も練習していったのに

 

「あのう、茶葉が入っていないようなのですが…」

 

このセリフにいたっては、人生で一回も言ったことないよ!

 

噛まずに言える自信がないよ!

 

不意打ちの応用編だよ!

 

そう、私はチキってたんですよ、茶葉が入ってない事実を伝えることに。

 

こうしている間にも、ほかほかのパンケーキは冷めてゆく。

 

ただのお湯は、ただの水に変わろうとしている。

 

そして相変わらず、女子高生たちははしゃいでいる。

 

「パンケーキうっま!」

「紅茶とまじ合うね~」

 

 

心の底から、うらやましい。

 

でもなぁ。店員さん忙しそうにしてるしなぁ。どうしようかな。

 

と、もじもじモンスターがえぐえぐ言いながらパンケーキを食べていると

 

幸運にも、店員さんが!近づいてくる!

 

 

話しかけますか?

 

はい ◁

いいえ

 

 

しどろもどろに茶葉が入っていないことを伝えると

 

 

丁寧かつ爽やかな謝罪ののち、

 

すぐに茶葉入りのポットを持ってきてくれました。

 

おまけに紅茶の料金はいりませんとのこと。

 

 

やさしい。

 

 

あぁ、伝えてよかった。

 

 

こうして私はパンケーキとアールグレイのマリアージュを存分に楽しみ

 

上機嫌でお店を後にしたのですが

 

まぁ澄み切った白湯が運ばれてくることもあるので

 

濁ってばかりの人生でもないんですよね。

 

 

幸せは気づいた時、そこにある

 

 

そんなことをしみじみと思いながら玄関を開けると

 

 

母がなにやら神妙な面持ちで探し物をしていました。

 

私「どうしたの?探し物?」

 

母「そうなの…いないのよ。」

 

私「何が?」

 

母「まんまるちゃん」

 

ま、まんまるちゃん?

 

私「まんまるちゃんって何?」

 

母「まんまるちゃんは、まんまるちゃん」

 

 

そういいながら、母は自分のカバンをあさっている。

 

しばらくして

 

「あ!あった!!」

 

と、おもむろにカバンの中から

 

むんずとつかんだまんまるちゃんを取り出しました。

 

 

 

 

まんまるちゃん

 

 

 

 

黒い、エコバッグだった。

 

 

無地の。

 

 

 

 

やっぱりね、最強なんじゃないかって思うのがね

 

 

母親だよね。

 

 

 

 

 

 

 

あ、宣材写真を久しぶりにリニューアルしたので、ぜひ公式プロフィールをチェックしてください☺︎

 

 

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撮影オフショットも。

 

 

 

 

 

ではでは、またの機会に。

 

 

ばいーーーー!!